1.春から秋に予防薬を投与する場合
少し古いデータになりますが、東京のフィラリア感染期間は、15年間(1997~2011年のデータ)のHDUに基づいて計算した結果、平均で5月14日~11月4日ごろと言われていました(最も早い感染時期は5月5日、最も遅い感染時期は11月13日)。ただし、近年は春の訪れが早まったり、冬の訪れが遅かったりするときもあり、2024年の東京は4月30日から11月14日と感染期間が前後に広まってきている傾向もあるようです。

これらのデータは、気象台の気温データとHDU(Heartworm Development heat Unit)に基づいて算出されています。そのため、東京とは言っても、あくまでも目安となる期間です。ただし、蚊の発生は、生活圏の気温や蚊の分布の差などによって地域差があるため注意が必要です。日野市内でもグッピーが冬越しできるような暖かい水が1年中あったり、地球温暖化の影響もあるので、上記感染期間(5/14~11/4)はあくまでも最低限の危険期間ととらえて、各家庭に合った予防期間を考える必要がありそうです。最近は春や秋が短く、まるで四季が二季になってしまったのかと思うような年もあります。実際に犬の暮らしている環境や温度の条件などによってはHDUによる試算値からずれて、感染期間が前や後ろにずれ込むことがありることも知っておきましょう。
また、予防薬がフィラリア駆虫に有効なのは、犬が蚊に刺され、子虫を置いていってから約2週間から30日後(第3期幼虫と第4期幼虫が駆虫対象。どの時期に作用するかは薬剤の種類によります)の投薬ですので、投薬期間の最終は11月中旬以降(11月中旬から12月初め)になることが望ましいです。冬の訪れ方によっては、追加のもう1回分が必要となるケースも考えられますので、予防薬の最終投薬日は天気予報注意をしながら過ごしてください。

2.通年予防の場合
近年の温暖化や住環境の良質化により、フィラリア予防期間の確定が難しくなっています。そのような場合、1年を通して毎月1回フィラリア予防薬の投薬を続けるという方法もあります。当院で処方しているフィラリア予防薬は、フィラリアのほかにも消化管に寄生する回虫、鉤虫(一部鞭虫も)等も併せて駆虫する効果があります。
予防薬は2~3日程で体から完全に排泄されるので、通年投与となっても犬の健康に問題を与えることはありません。

かつて犬の飼育の主流が屋外だったころに比べ、室内飼育が増え、住空間、食卓周り、ソファー(時にはベッドも)等も共有するケースが増えてきていますので、定期的な消化管内寄生虫の駆除は、人獣共通に感染する寄生虫を寄せ付けないというメリットもあります。
また、通年予防の場合は、春先の血液検査をせずに投薬を継続することもできますので、検査のためにお待たせすることもなくなります。もちろんご希望であれば1年を通してフィラリア感染の血液検査やフィラリア症を含めた一般的な血液検査は実施可能ですので、お気軽にご相談ください。

愛犬とその家族にとって、フィラリア症の予防はとても大切なことです。ご家族のライフスタイルに合った投薬方法をご検討ください。ご不明な点は何でもお問い合わせください。


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