犬のフィラリア症(犬糸状虫症)②蚊とミクロフィラリアの関係

獣医さんの情報室

どのようにして感染するのでしょうか?

フィラリアはどのようにして犬に感染するのでしょうか?

フィラリア症の感染には、フィラリアの第1期幼虫(ミクロフィラリア)を持っている蚊が関与しています


フィラリアに感染している犬などを蚊が吸血し、蚊の体内にミクロフィラリア(第1期幼虫:0.3㎜)が入り込む。

蚊の体内でミクロフィラリアは2回脱皮して第3期幼虫となり、感染力を持つようになる。

  第1期幼虫  →  第2期幼虫  →  感染第3期幼虫(約7㎜)
        脱皮        脱皮

③体内にフィラリアの子虫(感染第3期幼虫)持った蚊が犬を吸血したとき、吸血孔からフィラリアの子虫が犬の体内に入り込む

④フィラリアの子虫は犬の体内(筋膜下、皮下組織、脂肪組織、筋肉内など)で2回脱皮して成長する。

  第3期幼虫  →  第4期幼虫  →  第5期幼虫(約2cm)
 (1~10日) 脱皮(50~68日) 脱皮   (90~120日)

フィラリアの予防薬はこの段階で、犬の体内に入り込んだフィラリアの子虫を駆虫することによってフィラリア症を予防します

⑤フィラリアの子虫(第5期幼虫)は血管(静脈)に入り込み、血流に乗って心臓(右心室)へ入り、成虫になり新たなミクロフィラリアを産んで血液中に放出します(感染後約6ヶ月)。

☆犬に主要な病害が発生するのは心臓に幼虫が移行する感染後約4ヶ月以降、血液中にミクロフィラリアが現れるのは感染後約6ヶ月以降となります。

蚊とミクロフィラリアの関係

気温と蚊の関係

気温が25~31℃の時が、蚊の体内にいるミクロフィラリアにとって最適温度となります。平均気温が15℃以下または34℃以上では蚊の体内で成長しないといわれています。成長はしなくてもミクロフィラリアは死滅するわけではないので、都合の良い温度帯になったら成長を続け、感染の機会を狙い続けます

フィラリアの寿命

フィラリアは犬に感染して約6ヶ月で成虫になります。成虫の寿命は5~6年です。フィラリアが生み出したミクロフィラリアの寿命は1~2年です。

血液中のミクロフィラリアについて

ミクロフィラリアは時間帯により、血液中を泳いでいる数が変動します。昼間はかくれて、蚊の活発に活動する夕方4時~翌朝4時(最も多いのは夜10時ごろ)くらいにたくさん末梢血中に現れます(日中の約6.5倍)。
つまり、蚊の活発に活動する時間帯に血液中に多く出現し、効率よい感染の機会を狙っているということです。少しでも涼しい時間帯にお散歩をしたいのに、その時間帯こそ、フィラリア感染の魔の時間なのです

オカルト感染とは?

フィラリアの成虫が心臓に寄生しているのに、血液中にミクロフィラリアが検出されない状態をオカルト感染と言います(感染犬の25%)。オカルト感染は、オスあるいはメスだけの寄生の時、ミクロフィラリアの殺虫効果のあるフィラリア予防薬を飲んだため、心臓に成虫がいても血液中にミクロフィラリアがいない時、数がとても少ない時におこります。

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