フィラリア症にかかるとどうなる?
フィラリア症を予防しないと?
犬は自らフィラリアを排除する力を持たないので、予防しないまま、1夏を越した犬の38%、2夏を越した犬の89%、3夏を越した犬の92%がフィラリア症にかかるというデータがあります。感染した犬のうち、症状があらわれるのはこのうち約40%程度です。
感染するとどのような症状が出るのでしょうか?
A.慢性犬糸状虫症(約95%)
フィラリアに感染して、症状が出る割合・・・36.9%
症状:元気↓、食欲↓、栄養状態↓、毛艶が悪くなる、疲れやすい、貧血、黄疸、咳、呼吸困難、失神、むくみ、腹水、胸水など
B.急性犬糸状虫症(大静脈症候群)(約5%)
発症前には、ほとんど症状がない(まれに咳がみられる程度)。突然発症し、ほとんどが助からない。
症状:元気食欲廃絶、重度の貧血、血色素尿(赤い尿)、呼吸困難、不整脈、心雑音、頚静脈拍動など

フィラリア症の予防法
予防法
年1回の血液検査と、月1回の予防薬の内服薬・滴下剤等で感染から守ることができます。1年に1回の注射薬もあります。
フィラリア症の予防薬は、蚊やフィラリアの虫をよせつけないお薬ではありません。あくまでも「フィラリア症を予防」するためのお薬であり、作用の仕方からいうならば駆虫薬です。
フィラリアの感染の高い時期に、「ミクロフィラリアを持った蚊にさされて子虫を置いて行かれたことを想定し、フィラリア症を引き起こす前に駆虫をしてしまいましょう」というお薬です。
予防薬の効果・種類
感染が成立してから(蚊にミクロフィラリアを置いて行かれてから)1か月以内に投薬を開始して定期的に駆虫をし、蚊がすっかり見られなくなってからさらに「最後の大掃除の締めの1回」を投与し、次の春を迎えることが正しい予防薬の投与法です。なかには、暖冬で予防終了のタイミングが不安であったり、消化管内の内部寄生虫の予防も希望したりするときは、通年で予防薬を投与する方法もあります。

フィラリアの薬はお薬の種類にもよりますが、投与したら2~3日から1~2週間程度で代謝されて体から抜けてしまうので、持続的に駆虫効果が続くわけではありません。とびとびにお薬を与えると、予防効果(駆虫効果)がぬけてしまう期間ができてしまいます。薬を特別なカプセル構造に加工して徐放作用の機能を持たせて1年間の効果が持続する注射薬もあります。
内服薬、滴下剤、注射薬にはそれぞれ特徴があります。味付きの錠剤やおやつタイプのものもあります。どのようなタイプのお薬が自分の愛犬に一番合っているのか、主治医の先生とよく相談してみるとよいでしょう。フィラリア症予防の他に、その他の外部寄生虫・内部寄生虫の駆虫効果を併せ持つものもあります。
最後に大切なこと
万が一去年のお薬が残っていたとしても、検査前に自己判断で与えてしまうことはとても危険なので、必ず血液検査を行ってから与えてください。万が一、不幸にもフィラリア症に感染している状況で、血液中にミクロフィラリアが泳いでいる状況でフィラリア予防薬を与えてしまうと、ミクロフィラリアが急速に死滅し、血栓が飛んだ時のよう血管を詰まらせ、最悪死に至ります。
フィラリア予防薬が手軽にホームセンターやインターネット、ドラッグストアでは買えないのには、そのようなわけがあるのです。フィラリア予防薬は要指示医薬品・指定医薬品となります。大切な愛犬の命を守るため、必ず獣医師の診断と処方を受けて投薬することになります。
フィラリア症の安全で優れた予防薬がなかった時代、3年もすると多くの犬が感染して命を落としていました。渋谷駅にある忠犬ハチ公像となっている「ハチ」の死因もフィラリア症でした。時代が流れて、今ではいろいろなタイプの予防薬ができ、きちんと予防すれば100%フィラリア症を予防できる時代になりました。
昔よりもフィラリア症の感染の機会は減少しましたが、愛犬との幸せな時間をまもるために、しかりとフィラリア予防を継続しましょう。



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